遺言の実際…遺言の無効

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遺言の無効…実際には



遺言の実際…遺言の無効


遺言の要件を満たしていなければ、その遺言は無効となってしまいます。公正証書遺言でも油断はできません。

実際の裁判所の判断をみてみましょう。

■公正証書遺言に際し,立会証人はすでに遺言内容の筆記が終わった段階から立ち会ったものであり,その後公証人が右筆記内容を読み聞かせたのに対し,遺言者はただうなずくのみであって,ロ授があったとはいえず,右立会証人は右遺言者の真意を十分に確認することができなかった場合には,右公正証書遺言は民法969条所定の方式に反し無効である。(最判・昭和52年6月14日)

■肯定又は否定の挙動を示したにすぎないときはロ授があったとはいえない。(最判・昭和51年1月16日)
「遺言者が,公正証書によって遺言するにあたり,公証人の質問に対し言語をもって陳述することなく単に肯定または否定の挙動を示したにすぎないときには,民法第969条2号にいう口授があったものとはいえず,このことは遺言事項が子の認知に関するものであっても異なるものではないと解すべきである。」

■推定相続人の配偶者は遺言の証人欠格者である。(最判・昭和47年5月25日)
「民法974条3号にいう「配偶者」には推定相続人の配偶者も含まれるものと解するのが相当であるところ,原審の確定した事実関係によれば,本件遺言公正証書の作成に立会した2人の証人のうちの1人である訴外……は,遺言者……の長女である訴外……の夫であるというのであるから,右公正証書は,同条所定の証人欠格事由のある者を証人として立会させて作成されたものといわなければならない。したがって,右遺言公正証書は遺言としての効力を有しないとした原審の判断は,正当として是認することができる。そして,右……の配偶者……ヘが当該遺言によってなんら財産を取得していないことは,右判断を左右する理由とはならない。」


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